レッドブル・エアレース2019
第2戦ロシア・カザン大会、
室屋選手が開幕から2連勝!
6月16日(日)、ロシアのカザンで開催されたレッドブル・エアレース第2戦で、室屋義秀選手はアブダビでの第1戦に続いて見事な優勝を成し遂げました。
レッドブル・エアレースは今年で終了との衝撃的なニュースが流れましたが、通常は年8戦が行われていたものが、今年は4戦のみが行われ、当初は第6戦の予定だった9月開催の千葉大会がすべてのレッドブル・エアレースの最終戦になることが決定しました。この事態を一番悲しんでいたのは室屋選手です。
室屋選手は、「今シーズンは全4戦に変更となったので、チャンピオンシップの年間戦略を修正しながら、現在のリーディングポジションを維持できるよう全力を尽くしていきます。9月までの短期決戦となりましたので、他のことは考えず100%レースに集中していきます。スポーツ選手とは、設定されたルールや与えられた条件の中において、その能力の限界に挑戦する存在だと考えます。その挑戦の過程により、新たな未来が創造されていくと考えています」とコメントを発表しました。
2月9日のアブダビ戦の後、第2戦の開催国が決まらず、まる4か月ものブランクを経てのカザン戦となりました。室屋選手は「第2戦が天王山になると思って準備を進めてきました」と語っていました。各選手とも万全の態勢で臨んだ中でも、室屋選手は安定した強さを見せ続け、大会前に3回行われる公式練習では、すべて室屋選手が1位のタイムを記録。6月15日の予選では4位になったものの1位とはわずか0.5秒差で決勝を迎えました。
1回戦のラウンド・オブ14ではペナルティを受けた選手が続出する中、室屋選手と対戦したベン・マーフィー選手(イギリス)はペナルティなしの1分3.333秒を記録。室屋選手は風にあおられたのかややコースを乱しましたが、1分3.243秒で、わずか0.09秒の差で勝ち抜きました。
2回戦ラウンド・オブ8では、予選1位のタイムを出したミカエル・ブラジョー選手(フランス)と対決。先に飛んだ室屋選手は1分3.049秒の好タイムでプレッシャーを掛け、ブラジョー選手のペナルティを誘って勝利しました。このタイムはラウンド・オブ8の全選手中最速でした。
先攻で好タイムを出して後攻の選手に勝つのは、2017年に年間チャンピオンに輝いた年にも多く見られた室屋選手の必勝パターン。決勝のファイナル4でも室屋選手は1番手で飛行し、1分3.496秒を記録。ライバルのマルティン・ソンカ選手は序盤でコース取りのミスもあり室屋選手を破れず、室屋選手の2大会連続優勝が決まりました。
室屋選手は「チームのみんなが良くサポートしてくれたので、自分はリラックスして、ただ自分の仕事をするだけで良かった」と、平常心での勝利だったとコメント。
レッドブル・エアレースはあと2回。最終戦は地元日本、千葉大会。年間4戦しかない2019年のレッドブル・エアレースで、室屋選手は開幕2連勝という快進撃。残り2大会で、現在ランキング2位のソンカ選手や3位のホール選手に大きく敗れなければ、2017年に続く2回目の年間チャンピオンを手にします。
それはレッドブル・エアレース最後のチャンピオンでもあり、千葉での年間表彰という最高のフィナーレでもあります。レッドブル・エアレースは残り2回。7月13日・14日のバラトン湖(ハンガリー)と9月7日・8日の千葉市幕張海浜公園です。
左から2位のマット・ホール選手、優勝した室屋義秀選手、3位のマルティン・ソンカ選手